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Journal

2025.05.13

靴袋がWrappy Towelにリニューアル。環境配慮した万能タオルのこだわりと使い方

オッフェンの靴がシンプルな素材や工程でできているのは、つくる側の責任を果たしながら、お客様のゴミの負担をなるべく無くしたいという思いを持っているから。これからは、どういうものに囲まれて、どういう人生を送りたいのかという自己の軸を追求する時代。環境との調和を重要視するほど、過去の仕組みにとらわれない新しい“あり方”を見出す必要があると感じています。スタート以来、オッフェンとしての“あり方”のひとつとして靴箱なしの靴袋を提案してきましたが、袋が増えてきたというありがたいお客様の声をもとに2025年3月に新しくWrappy Towelでのご提供をスタート。風呂敷でありながらタオルとしても使える、環境に配慮したタオルづくりにこだわるツバメタオルさんと共同開発しました。

微生物と自浄して自然へ還す仕組みを開発
使いやすさと環境にこだわるツバメタオル

大阪・泉州地域で明治45年に創業したツバメタオルは、伝統手法である“後ざらし”で日本タオル産業の礎を築いた「泉州タオル」の継承者でありタオル業界の改革者です。“後ざらし”とはつまり製品染めのこと。綿花がタオルになるまでに、長い反物の状態で何度も洗いをかけたり乾かしたりを繰り返すのですが、すべての工程が終わって形になった後、やっと染めと洗いを行います。この製法は、先染めの糸を織って縫製した“先ざらし”に比べると、工程数が多く手間がかかります。しかしその分、タオル本来の使いやすさや安定した使用感が持続できるといいます。

 

「タオルはいつからか白く弾力のあるものが理想とされていますが、泉州タオルは『柔らかい』『水を吸う』『すぐ乾く』という本来の実用性に特化しています。そのため、買った時からベストな状態です。当然、洗わずにすぐ使用できますし、その状態が持続します」とは、営業の鍋田さん談。

 

ツバメタオルは、高度成長期の1980年代から環境配慮型へと徐々にシフトし、20年をかけて現在の完全な環境配慮型の生産背景を完成させました。1日2000トンもの水を使用する工場では地下水が組み上げられて丁寧にタオルづくりが行われます。使用されて汚れた水は微生物分解で約2日かけて浄化され、亀が元気に過ごすほどのきれいな水に戻してから川に還されています。この、完全なる自然との循環システムが組み込まれた「有機精練」は2002年に特許を取得※。ここでは、タオルづくりの根底となる仕組みをガラリ変えたものづくりとこだわりを紐解きます。
※現在は各社が取り入れるようにと特許開放しているそうです

 

ツバメタオルさんの自然と調和したタオルづくり

綿100%のWrappy Towelは美しい生成りで作りました

タオルを織るためののり付けは植物性由来、微生物の力で酵素分解されます

タオルを作るために使用された水はバクテリアの力で分解してから川に戻されます

タオルを作るために使用された水はバクテリアの力で分解してから川に戻されます

タオルを作るために使用された水はバクテリアの力で分解してから川に戻されます

  1. フェアトレードへのこだわり
    ツバメタオルで使用する綿糸は、顔が見える農家さんから買い取り、加工もトレーサビリティがとれているだけでなく、ロイヤリティでインドの無農薬農家を支援する取り組みを行っています。また、自社で2009年に現地に出向いてオーガニック綿花の農場とも契約。毎年、収穫分をフェアトレードする仕組みを作り、農家さんにとって無理のない経営を支えています。ちなみに、オッフェンのWrappy Towelは綿100%のうち、認証のとれているオーガニックコットンを約65%、レギュラーコットンを約35%採用しています
  2. 植物由来のでんぷんのり
    タオルは織る前にのり付けで固定しますが、ツバメタオルではコーンスターチやでんぷんをかけ合わせた植物由来ののりを使用。通常の化学のりに比べて強度は弱いため、工場内では朝昼晩、風綿が舞っていて掃除が欠かせないそうです。環境に配慮しているからこそ。小さな白い綿が舞う工場なんて少しロマンティックですね
  3. 微生物の力で酵素分解
    植物性ののり付けはバクテリアの液剤に漬けることで、アミラーゼという酵素分解によって自然に結合が解かれていきます。40〜42°に保たれた室内でじっくり16時間。ちなみに蔵を温める熱は、工場内の熱を収集してパイプで届けて再利用しています
  4. 生成りが美しい無漂白
    Wrappy Towelは自然の糸の色である「生成り」で仕上げられています。綿カスと呼ばれる黒い粒子がところどころに残っているのが無漂白の証です。通常のタオルづくりでは科学的な漂白剤を使うところ、ツバメタオルさんでは過酸化水素水(H2O2)を使用。分解後はH2OとOになる全く自然に害のなく循環されていきます。白がややオフホワイトであることも自然に寄り添っているからなのですね
  5. 自然の摂理で洗い上げる
    バクテリアによって分解されたでんぷんのりや漂白剤などを洗い流すのに必要なのは、6つの水槽とお湯と水だけ。温冷を行き来することで自然な伸縮が発生する素材の作用を利用して、綿を傷つけることなく不要なもののみを優しく洗い流していきます
  6. 使用した水は洗浄して川へ
    1日で使用する水量は約2000トン、これは4人家族の生活用水5年分に値するとか。1日約200万枚が加工されており1枚10リットルの水が毎日使われています。集められた使用水は浄化施設で約2日かけて水質を改善する微生物分解によってきれいな水へと戻された後、安全数値を確認してから多様な生物が生息する川に流します

 

Wrappy Towelおうち活用術

日本人が大切にしてきた「包む」という文化を現代に合わせたスタイルで進化させたWrappy Towel。袋がなくても自由に持ち運びでき、使用用途を限定しないからそれぞれのライフスタイルに合わせて無限大に便利が広がります。昔ながらのロープ柄を3本あしらい、片面ずつフラットとパイルになった両面仕立て。61×62.5cmの大判サイズなので、日常のあらゆる場面で活躍します。

 

包み方次第でお弁当包みやエコバッグ代わりに!
風呂敷の使い方をご紹介

万能キッチンふきん|料理中、食器洗い後、手拭きなど1枚で何役にも活躍

赤ちゃんのおくるみ|優しく安全に包み、いざというときの吸水機能も万全

窓拭きやお掃除にも|フラット面はガラスや鏡拭きでもホコリが目立ちません

毎日の洗顔や身体にも|化学薬品不使用で敏感なお肌を優しく包みます

食べ物をより安全に|水洗い後の果物の水滴も自然のタオルで拭けば安心

現会長のお子さんが赤ちゃんだった頃、口にくわえているタオルが次第に白く減色していくのを見たことをきっかけに、人体や動植物に負荷のかからない製法を20年かけて編み出したツバメタオルさん。自然環境と循環するエコシステムを作り出しただけでなく、熱の再利用や、裁断時に端を内側に折ってゴミを出さないといった様々な工夫が凝らされています。

これは、関わる人をゴミの生産者にしないことや、労働環境に配慮することで履く人も売る人も幸せになってほしい、という思いを持つオッフェンも同じ。余分なものを削ぎ落とし、あくまでも実用的なプロダクトにこだわることで、お客様の日常の安心や充足につなげることができる。軽やかな日常を支えるパートナーであるために、私達の挑戦は続きます。

Wrappy TowelはÖffen直営店のみで運用開始しております。

 

・Öffen the House 代官山店
・Öffen Kitano House 北野店
・Öffen 西宮阪急店
・Öffen 玉川髙島屋S・C店

 

Öffen 福岡天神店、Öffen公式ウェブショップ、ポップアップショップは現在の靴袋がなくなり次第、切り替えを予定しております。
 


Öffen Journal Editorial Team
text: YUKA SONE SATO (LITTLE LIGHTS)